Thursday, July 26, 2007

Münster

Münster Skulptur Projekte 07にいってきた。日本語ではミュンスター野外彫刻祭。
スカルプチャは確かに彫刻という意味だけども、彫刻と呼べるものをいくつみただろうか。Sculpture Projectというイベント名はInstallation Projectの方がしっくりくる。

賑わう市街地でオブジェと出くわしたり、橋の下のスピーカーから歌が聞こえてきたり、大きな木製のテントで牛やヤギや鶏を放し飼いにしてたり、緑の大きな植物が二つの大きな直方体の形に育てられてたり、作品の形態は様々だ。
これらはアーティストが2ヶ月間この町で生活しながら作り上げていったものだ。埠頭に水玉のカボチャを置くのとは違う。(弥生はとても好きです)
そして今年の34の作品のクオリティは高い。

地図をたよりに作品を探し回るが、正直どれが作品かわからない。
僕はできるだけ多くの作品を体験すべく、感覚の感度を敏感に自転車をこいでいた。
手がかりはぺらぺらの地図一枚。
大きな竹の茂みやちょっと変わった形の石まで作品のように見えてくる。
湖に張り出した作品で休憩していると、鴨の集団が湖の波にぷかぷか上下しながら近づいてくる。
その光景はその日見たいくつかの作品よりは感動できるものだった。
そのときふと、これまで自分が動物に対してかわいいなと思うのと美術作品をみていいなと思うのを「違うもの」として整理していたことに気づいた。
でも、それらが一つに溶け込んでいく不思議な感覚。
突然、これまで見てきた作品がぐっと僕に近づいた。肩肘を張っていた芸術がごく日常的なリアリティをもつ。ここで、僕は、「動物は神様がつくった作品だったのだ!」だの「自然ってやっぱりすごい!」だのと声を張り上げたいのでなく。
素朴に僕の中で無関係だった2つがつながるうれしさ。
ちょうど、僕の全く別の友人2人が実はお互い知り合いだったような、そんなうれしさ。
これがSkulptur Projekteの、正に狙わんとするところなのではないかと思う。

2 comments:

Anonymous said...

ひとり旅の感情の機微がつたわってきます.なかなか良いものですよね.
いいなあ〜

da!da!da!datech! said...

感動したときに、伝える相手が欲しいと思う。それ以外は一人で来てよかったと思ってる。みねくんもほら、学生のうちにしかできないよ。